2018年1月18日から30日までインド鉄道を旅した旅行記を綴ります。
デッキまで満員の二等車で旅がスタート
「そりゃそうだ!」 思わず声が出た。
南インド・ティルチラパリ駅に入線してきた列車の二等車はデッキにまで人が溢れていたからだ。
インド鉄道における二等車は一番下のクラスで、座席指定のない自由席。鉄道の需要度が高いインドで列車は常に混み合うが、特に二等車の混雑ぶりは激しい。20両近くで編成される1本の列車に、二等車は4〜5両しか連結されていない場合が多いのだ。そんな事情もあり、途中駅から二等車に座れるはずがなのである。
だが、これから乗車する急行列車は、この駅を23時に出発する。深夜に向かう時間帯ゆえ
「あわよくば座れるかも知れない」という淡い期待を持ったが、見事に打ち砕かれた。
列車の終点ラメシュワラムの到着時刻は、翌朝4時35分。この混み具合では朝まで座席にありつけないどころか、腰を下ろすことすらできないのでは?と思えてきた。
いや、しかし最初から二等車に乗ろうとしたのではない。5時間ほど前、寝台券を買おうとしてきっぷ売り場に並んだ。窓口で寝台券をリクエストしたところ、女性職員に「あなたは何を言っているの?」という表情で軽く「ノー」と告げられた。
「そりゃそうだ……」インドでは当日の寝台券を夕方に買えるはずがないのである。
そんな、インド鉄道を旅するうえでの心構えも忘れるほど、インドに来るのは久しぶりだった。
前回のインド訪問は2009年で、以来9年の時が経過していた。
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